園児にやさしい空間を作る保育園のインテリアのヒント

園児もよろこぶ保育園のインテリアのヒント
保育園は、子どもたちが一日の大半を過ごす、大切な居場所です。
以前、私がインテリアを担当した保育園の先生から、こんな嬉しいお声をいただきました。
「まるでお家にいるみたいに安心できるようで、子どもたちも保育園の空間が大好きです」と。
私は、施設っぽさを感じさせない空間作りを大切にしています。そのため、この言葉を聞いたときは本当に心から嬉しくなりました。
インテリアのちょっとした工夫ひとつで、園児たちは安心して、自然な笑顔で過ごすことができるのです。
今回は、保育園づくりでインテリアを考えるときに意識したいポイントを、いくつかご紹介します。
色選びにこだわりたい場所とは
保育園や学校、事務所、施設と呼ばれる場所は、どうしても味気ない色合いや冷たい素材が使われがちです。
床もビニール、壁や天井も同じ素材だと、まるでラッピングされた空間のようになり、途端に窮屈で息苦しく感じてしまいます。
人間はもともと自然な環境で暮らしてきた生き物です。
だから、自然の色や素材に囲まれると、呼吸がしやすくなったり、感染症予防にもつながるなど、さまざまなメリットがあると言われています。
私は、唯一無二のデザインが好きなので、子どもたちの空間を作るときは色の冒険を楽しみます。
そして、その冒険が自由にできる場所が、意外にもトイレや洗面所なのです。
教室は、子どもたちの作品や絵を飾るための白いキャンバスのような空間が最適です。
作品そのものがアートとなり、空間の主役になるからです。
一方、トイレは一人で行くのが怖かったり、個人行動をしなければならない場所でもあります。
だからこそ、ここをどれだけ楽しく、おしゃれにできるかがポイントです。
さらに、先生やご家族の方にも「素敵!」と思ってもらえるデザインを心がけています。
そのため、大人の目線も大切にし、キャラクター柄はあえて使いません。
トイレの色や素材ひとつで、子どもたちの「行きたい!」という気持ちが変わる
そんな小さな冒険が、日々の安心や笑顔につながると私は信じています。

壁紙選びに苦戦してしまうときは
壁紙は、日本のメーカーだけでなく、海外のメーカーからもデザインを探します。
どうしても日本のメーカーでは出せない色やデザインがあり、それを見つけるのも楽しみのひとつです。
特におすすめの海外クロスメーカーは、トミタさんやマナトレーディングさん。
モデルハウスや特別な場所では、海外クロスを使って提案することもあります。
色鮮やかに配置されたデザインからインスピレーションを受け、他の壁の色をそろえたり、壁のデザインが決まってから床選びへと進めます。
床は水に強いクッションフロアを使いますが、デザインも豊富です。
廊下からトイレに入るときは、廊下の床の色とトイレの床の色をコーディネート。
全体の整合性があって初めて採用となります。
こうして、これからこの保育園に子どもを入れたいと思ってもらえるような、他にはない色の組み合わせやデザインを取り入れています。

家より心地のいい場所にしたい、そして安全に
私は、せっかくなら「家よりも心地の良い空間」を作りたいと考えています。
施設=冷たいイメージをできるだけなくすために、床には温かみのある本物の木を使い、本物のデザインに触れてもらうことを大切にしています。
本物の素材やデザインに触れることで、子どもたちの想像力や情操教育にもつながり、豊かな気持ちで園内を過ごせます。
その結果、かけがえのない思い出を作ることができるのではないかと考えています。
もちろん、デザインだけでなく安全面も非常に重要です。
- 壁の角を直角にせず丸める
- どうしても角を作る場合は高い位置に設置する
- ブラインドやロールスクリーンのひもは高めに設定する
- 安全装置が作動するメーカーを選ぶ
こうした点は、一般住宅とは異なる配慮が必要です。
デザイン性と安全性の両立を意識しながら、子どもたちが安心して過ごせる空間づくりを行っています。

運よく、ご一緒させていただいた保育園の関係者の方々は、デザインをおまかせくださいました。
照明についてもこだわる部分はしっかりとこだわり、ポールセンの「シルク」を取り入れていただくなど、
本物を子どもたちに伝えたいという想いがひしひしと伝わってきました。
その熱意に、私もかなり気合が入ったのを今でも思い出します。
今では、この保育園はとても人気のある園になったそうで、運営の方々の素晴らしい取り組みにより、全国から多くの見学者が訪れる園となっています。
本当に素晴らしい経営者の方々で、頭が下がる思いです。
未来への想いをこめて
インテリアひとつで、子どもたちの毎日や未来に与える影響は大きく変わります。
本物の素材やデザインに触れる喜び、安心して過ごせる心地よさ…
そんな空間を目指して、これからも子どもたちにとって特別な場所を作り続けたいと思います。
\お読みいただきありがとうございました/
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執筆者:インテリアコーディネーター深瀬麻里でした。